さらば「手打ち」

ゴルフの進歩

迷ったら基本の体幹に戻る

コースに出るとどうしてもバックで振りかぶるクセがある。最初の数ホールは慎重にしているので良いショットが出るが、当たり始めるとつい振り回してしまって曲がり始めてしまう。結局最後にはボールに合わせるスイングになってしまう。

練習場ではバックで股関節に乗り丁寧に体を捻ることだけに集中する。ただ闇雲にボールを打っても意味がないので、股関節がきつくなるような体をねじるための練習をすべきである。

ダウンでも左腰に乗っていくような打ち方を心がける。

グリップの動きをコントロールする

股関節を入れてかがみ過ぎないで構える→体の捻転を妨げないため。 

グリップ圧を一定に保つ→手首を捏ねないようにするため。          

バックの始動は腰で行う→手から上げるとトップの位置が一定しないため。 

首とグリップの距離が変わらないように肩を回す→肩が回らずに腕だけ上げるクセがあるので注意する。

グリップの高さは肩と水平位で十分とする→コックを利用するため。    

ダウンでは一気に左腕を外旋する。グリップが懐の右から左を通過→左肘が縮まないでヘッドを走らせることができる。

右肩を最後まで回してフォローを大きく取る→ヘッドスピードを最大限にする。

手上げの弊害

言い尽くされていることではあるが、コースでショットが乱れるのは体が止まって手が暴れているためである。前日までは練習場で良いショットを連発していて、今日こそ70台と入れ込んでいる日や、ラウンド当日の朝にアプローチとパターだけしか練習できなかった日などに体が止まって手打ちになる傾向がある。ボールが曲がり始めると、ますます体を止めて手の操作で方向性を良くしようという心理が働く結果、無間地獄に陥ってしまう。

手を使ってバックスイングをすると、どこまでも上がってしまうためにオーバースイングやギッタンバッコンになる。トップが一定しないためダウンでボールに合わせるという操作が必要になり振り切れなくなる。またグリップの位置が高くなるためコックを感じることができない。飛ばないし曲がるし、ひどい時はまともに当たらないという結果になる。バックスイングは必ず腰の回転から最後に胸を回す意識で行う。グリップの位置をコントロールしてコックを感じて、シャフトのしなりを利用してヘッドを加速する意識が大切。

* アプローチの場合はダウンは腰を使うがバックは肩の回転で行うので、直前にそればかり練習し過ぎると、通常のショットの時にバックで腰を入れることを忘れてしまうためである。

* 自分の筋力を目一杯使って鉄棒を振った時と、軽量でしなる棒状の物を振った時を想像してみると理解できるが、ドライバーの飛ばしにはシャフトのしなりが働いていることが理解できる。飛ばすためには、体の動きとグリップの動きをコントロールしシャフトの動きを邪魔しないことである。

20ヤードと30ヤード

[ 通常の打ち方 ]

ボールはスタンスの真ん中、手元にグリップを置き、グリップの動きは小さくヘッドは大きく使う。ダウンは腰の回転で。

[ 悪いライの打ち方 ]

ボールは右足よりも右に置く。52度のウエッジを使い、コックを使ってバックし低く出す。ヘッドの先で打ち、打って終わりの感覚だがランが出るので手前に落とす。

ドライバーはシャフトでヘッドを走らせる

ドライバーはシャフトのしなり戻りを利用して飛ばす。そのために

① トップでコックを感じる→体の捻転が不足して左手が曲がるか右手を振りかぶるかで、グリップの位置が高くなるとコックが発生しない。胸を張って右腰から胸•肩と体をねじりコックを確認する。最後に胸をもうひとひねりするが、手の操作はしない。

② ダウンでグリップはふところに→左腰が浮くとふところがなくなる。ダウンは腰を切ることで行い、グリップを左足太もも前に持ってくる。腰を切らないまま打ちに行かない。

③ フォローでの肘のたたみが早過ぎるとシャフトのはじきを充分に利用できない→バックで右を向いた頭と胸の位置を変えない意識で腰を早く切る。回転力で腕が伸ばされる感覚でヘッドは遠くに出る。

肘にゆとりがないと叩けない

ドライバーの練習ばかりしていると、だんだん両肘が力が入ってくるためにダウンで叩けなくなる。ボールに合わせる動作が入ってきて振り遅れとなり、手をこねる結果となる。

またコースでは上体が起きて肘が固くなりやすい結果、肩と腰が使いにくくなるので常にチェックする。

1)右を向かないようにスパットを決める。

2)前傾と前後のバランスを確認。肘は一旦伸ばしてから緩める。

3)右腰を引いてバック開始。左肩が入るまでゆっくりバック。

4)右を向いた頭の位置を動かさないで左腰を後ろに引くことでダウン開始。右肘が体の側を通過し左右の肩がすばやく入れ替わる。

5)腕はすぐにたたまないで右腕を伸ばす意識で。

最後の押し込みのために:腰は切り、肩は入れ替え、腕を伸ばす

「構え」右を向かないこと、前傾した正しい構えを確認。

「バック」右腰を後ろに引いて肩を回す→前傾しているので短いクラブほど左肩が下がって腕は後ろに上がる感覚が正解。ドライバーだけは縮まないで大きく体を捻る意識が良い結果を生む。

「ダウン」右を向いた顔の位置を動かさないで左腰を後ろに引いてダウン開始。左肩があった位置に右肩を一気に持ってくる。右肘が体の近くを通らないと振り遅れる。

「フォロー」右腕をすぐに畳まないで目標方向に伸ばす。ヘッドは上から下、内側から外側へ。ルックアップしないように我慢すると、軸を中心に大きく右肩が動く感覚があって振り切ることができる。

コースで右を向いてしまうことの弊害は大きい

油断するとコースで肩のラインが右を向いてしまうことがある。左がハザードのホール、狭いホール、打ち上げや打ち下ろしのホールなどで多くみられる。右を向いていると手を上げやすいので体の捻りが浅くなる。その結果ボールに合わせるクセがついてしまう。またスタンスがクローズ過ぎても同様である。クローズスタンスだと肩のラインを目標方向にセットしても、インパクト付近でのふところが窮屈になり詰まってしまい振り切れなくなる。合わせる打ち方だと当たってフェアウエイに飛んでも飛距離が出ないので満足感がないし、練習場でもだんだん振り切れなくなる。

目標を決めたら必ずスパットを決め、そこにスタンスと肩のラインを合わせる。ドライバーでは誤差が大きくなるので、加えて前傾角度と前後の体重配分やグリップの位置にも神経を使う必要がある。

構えが決まったら、体がきつくてもバックでしっかり体を捻りダウンで腰と腕で振る習慣をつけることが大切である。

バックは肩、ダウンは腰、フォローは右腕

「バック」

まず右腰を後ろに引いてからを回す。

→ゆっくりと背中を回してシャフトが親指の上に来ることを確認。

クラブがインに上がるとプッシュかひっかけ。

 ダウン」

を切りながら右肘が伸びる。

→頭の位置を変えずに左右の肩を入れ替える。ルックアップ禁。

「 フォロー」

右手が目標方向に伸び、の三角形がキープされて最後まで回る。

肩の回し方の誤り

肩をしっかり回そうとすると、腕を伸ばして肩を回そうとすることが現在のテーマになっているためか、グリップが浮いてスウェイ気味になって逆に肩が回らない結果になっている。

グリップを体の近くに保ち、首の軸の下で左右の肩が上下するイメージが正しい肩の動きであることを忘れないこと。これだと腕は水平くらいまでしか上がっていない感じがあり何かもの足りない感覚があるが、実は肩は自分の可動域の限界まで回り、その結果クラブヘッドも最大の弧を描いている。振り遅れることなくしっかりしたボールが打てる。

肩甲骨によるコックで始動して肩を回すとグリップが離れないので体を使える。