さらば「手打ち」

ゴルフの進歩

動画の威力

前日の練習ではかなり良い感じだったのに、今日の練習は何かおかしいという時がある。前日が振れていたので、7番から始めてFW、ドライバーと進んで行くと、時々は良い当たりもあるが何かしっくりこない。その日はたまたまスマートフォンで後方から撮ってもらうことができたので、後で見てショックを受けてしまった。過去には何度も自分のスイングを撮ったことがあり、これまで欠点を修正してきたつもりであったが、自分のイメージとは全く異なる別人がスイングしていた。

普段の練習では、音が良くていつもの飛距離が出ていればOKとしていたが、実は練習場ではスイングを繰り返すことにより、手でボールにあわせる練習をしている要素もあることを忘れてはいけない。関節可動域や筋力を維持するという効果があるので普段の練習は必要であることは勿論であるが。

コースで最初は慎重に振っていて何とかなっていても、中盤や午後のスタートなどで変な当たりが出ると、体が反応して下半身を止めて方向性を良くしようとする意識が働く結果、手が暴れ出してしまい、散々な結果になってしまうことが多いもの。これはあわせる意識が原因なので、普段から手を使う余裕がない位に体を使う練習をしておく必要があるということである。

動画を見ると腰の回転が不足して手が動き過ぎていたことが一目瞭然であった。股関節を入れた状態で腰を切っていくこと、肩幅を広く使うことを意識し、特に右の9時でのクラブの位置を意識したら元のスイング戻ることができた。

今更ながら良い時と悪い時(自分の悪いクセを認識しておく)の両方の動画を撮っておくことは上達への近道であることを再認識した。

腰と肩の考え方

飛距離を出すには腰のパワーを使う必要がある。腰の回転によって肩が回転してクラブヘッドに力が伝わる。ティーアップした場合やライの良いところにあるボールを打つ場合には、できるだけ早く体ごと回転することにより、当たれば飛距離を出すことが可能である。ところがコースでは様々なライに対応する必要があるので、その打ち方では通用せず股関節を使った打ち方が必要になる。

 「股関節」:股関節を入れようとすると下半身が止まってしまったり、強く振ろうとするとダウンで左股関節が浮いたりしがちである。股関節が入った状態で腰を動かすには、アドレスで下を向いたヘソが下を向いたまま回転するイメージを持つと股関節を伸ばさないで回すことできる。

 「右9時でのクラブ」:いきなり肩を入れようとすると腕が縮むクセがあるので、9時の位置でのシャフトとヘッドを確認してから背中を入れるようにするとしっかり体を捻ることができる。

コースでの悪癖を発見

コースでは飛ばそうとしてしまうためか、いわゆる振りかぶりの状態になる傾向がある。大事に行こうとしても縮んだスイングになってしまう。左腕が曲がると肩の入りが浅くなるために合わせる操作が必要になり振り切れなくなる。

首の軸と上腕の付け根の距離を一定にするように意識し左腕を曲げないように我慢する(この時に肘頭は下を向いている)と、肩が回転してさらにシャフトのしなりを利用することができるので飛距離が出る。

つまり肩幅を広く使って肩を回す意識が良い。腕を意識しすぎると体の一部が止まる傾向があるので注意。

体の回転を妨げる妨げる原因その2

後傾になること:

股関節にばかり注目していると前後の体重配分がおかしくなることがある。特に力みがあると足の後ろ側にずれやすい。後傾になると手で上げやすくなり、バックで右足の上にうまく乗ることができない。ギッタンバッコンや振りかぶりのミスとなる。

縮むこと:

両腕の三角形が首を中心に首の下で振れている感覚が大切。やはり力みで股関節の入りが浅くなり前傾が不十分で腕と体が近くなる。その結果は体を捻ることができず、手を操作しないと当たらなくなる。特にダウンで左腰が浮きやすくなる。

バックはシャフトが水平になるまではインに巻き込まないで真っ直ぐ引く。そうすれば大きなバックを作ることができる。

腕を上げること:

飛ばそうとする余り、バックの後半で腕を上げてしまうと、シャフトのしなりが使えないし、当てに行く操作が必要になるためヘッドスピードが上がらない。バックの後半は腕を上げるのではなくて胸を捻る。

左手と右手:

以前にも注目したが、左手をしっかりすることによって右手を使うことができる。アプローチなどでは感じを出しすぎて左手が緩んで失敗することが多い。

ロングショットでは左手がしっかりしていないと、手を捏ねてしまい、肩の入りが浅くなるという結果になる。

構え方と始動の仕方でほとんど決まる

良いスイングをするためには、まずは構え方に気を使う必要がある。スパットを決めて打ち出し方向に平行に立ち、股関節を入れて上体を脱力する。腕は自然に垂らす。

この時にグリップをしっかり握ろうとすると、どうしても腕に力が入ったり、インパクトで緩めるという現象が起きやすい。特に右手で叩くクセがついてしまった人に多く見られる。

右股関節を後ろに引くと同時に右肩を後ろに引くように始動すると、グリップの形が正しければ自然にコックが入り、グリップがしっかりする。この動きだけでシャフトは9時の位置にくるので、後は右肩をさらに後ろに回すだけでバックスイングが完成する。

左手のグリップ圧を一定に保ちながら左股関節を切れば、正しいスイングの完成である。もっと飛ばしたければ左股関節が浮かないで早く切る練習をすれば良い。

体の回転を妨げる原因とその対策

最後まで回転できれば飛距離と方向性を両立することができる。

「股関節」を入れて構えてその形をキープするが、特にダウンで左股関節が浮きやすい。上体から打ちに行った時はシャフトが寝て下りてくるため左股関節が浮く。また長いクラブの場合は、上体から打ちに行かなくてもグリップが左のふところから離れやすくなる。その結果、腰の回転が止まるためにグリップの抜ける場所がなくなり、上に逃がすしかないので振り切れなくなる。

「腕」の力が抜けていて肘が前を向いていないと、バックで肩が浅くなるので右手で打ちにいきやすく左脇が開くので回転不足となる。また首の軸を中心に低く遠くに肩を回していく意識がないと、肩の入り方が不十分になるために振りきれなくなる。

「コック」の意識、特に左手でグリップを握り続ける意識がないと、ダウンで右腕に負けて左脇が開いてしまうので振りきれなくなる。これはベアライでの20ヤード位のアプローチを繰り返すと身に着けることができる。

フルショットでは2種類の打ち方をイメージする

パー5のホールでドライバーとFWがうまくいったのに、肝心のグリーンを狙うアイアンで失敗することがある。これはミドルアイアン以下の短いクラブとそれより長いクラブでは、切り返しのタイミングが異なってくるためである。

長いクラブでは、アイアンと同じ感覚で一気に振ろうとするとヘッドの返りが間に合わないので振り遅れやすい。ショートアイアンではシャフトが鉄棒でも上手く打てるが、ドライバーではシャフトのしなりを利用しないと打てない。

ドライバー、FW、ロングアイアンでは、腰・肩の順番で捻転してヘッドが鋭角に上がることのないようにバックし、トップでいきなり力を入れないでグリップが右腰まで下りてくるまで待ってから腹に力を入れて振りぬくイメージだと良いショットが打てる。前傾が維持できてヘッドによって右肩が回転していくとさらに良い。

ミドルアイアン以下では、バックは同じでダウンで一気に肩を回してしまうイメージで良いショットが打てる。

股関節を入れて構え、ヘッドが鋭角に上がらないように腰・肩の捻転でバックして、クラブ毎の切り返しのタイミングの違いを理解していれば、ダウンで左腰の浮きが防止できるので正確なショットが可能になる。

 

アプローチのスピンについて

ピッチエンドランには2種類の打ち方がある。つまりスピンを入れずにキャリーとランで寄せていく打ち方とスピンを入れてキャリーを多くする打ち方である。

通常はキャリーとランを使う打ち方を使う。この打ち方は芝が薄くても使えるので難しくない。コツは肩の回転でバックしたらグリップを手元に保ったまま左腕を外旋するだけである。

スピンを入れる打ち方はフェイスを少し開いてバックの仕方までは同じ。ダウンで腕の操作はなく腰の回転でヘッドを左に抜いていく。この方法はインパクトエリアが狭く一点しかないので、芝が薄かったり傾斜が強い時はダフりトップが起こりやすい。

アプローチをする時はピンまでの距離だけではなく、ボールのライを見極めて、どの打ち方でいくか明確にしてから打つとうまくいくことが多い。

ショートパットをはずす時

ショートパットがはずれる原因はルックアップであるとよく言われている。ヘッドをカップに入れるつもりで打てとか、カップインの音がするまで顔を上げてはいけないとか、普通に顔を上げないで首を回して下から見るように顔を上げるとかの教えがあるが、これらはすべてルックアップをいましめたものである。

ボールにラインを引き真っ直ぐ構え、ルックアップしないで打てているのにショートパットがはずれる時の原因は、ズバリ切り返しのタイミングが早いことである。

ショートパットは失敗できないため、この状況から早く楽になろうとする心理が働き切り返しが早くなってしまい、インパクトでフェイス面が微妙にぶれてしまうためである。ショートパットほど落ち着いてゆっくりと決めていくようにしたいものである。

縮んでしまう悪いクセ

コースでのミスを発見:

1. バックでインに巻き込みダウンではアウトに出してしまいプッシュするか、バックが真っ直ぐ引けてもでダウンでインに巻き込んでチーピンになるかのミスが出ることがある。

→首の下で腕の三角形をシャローに大きく動かすこと。

2. ショートパットの時に何故か切り返しが早くなる。